あなたの声、届いてますか？子どもが話を聞けない3つの理由と親ができる対処法

「ねぇ、聞いてる？」

 

皆様は、1日に何回口にされるでしょうか。

あるいは、何回名前を呼ばれているでしょうか。

 

 

「うちの子、全然人の話を聞かないんです」

 

というご相談、年間通して何度も保護者の方からお聞きします。

ただ、

 

「聞いていない」

 

と言いましても、それぞれの子どもにそれぞれの理由があります。

子どもも言語化はなかなかできないので、

 

「これです！」

 

と明確にお伝えすることは難しいですが、下記のどれかのタイプに当てはまることが多いように思います。

 

そもそも聞いていない。

・周りの音や他の刺激に夢中で声が耳に届いていない。

・別の遊びや考え事に没頭していて、話しかけられていることに気がついていない。

・言われたことに対して関心がなく、聞く意欲が低い。

 

聞いたけれど理解できない。

・用いられた言葉が子どもの理解力を超えている。特に抽象的な話、同時に複数のことについて指示されると理解が格段に難しくなります。

・指示の意図が理解できない。「片付けて」と言われても「どうして？」「どこに？」「何を？」と意図が分からず動けない場合があります。

・情報処理に時間がかかる。指示を聞き取れていても、頭の中で整理し行動に移すまで時間がかかる子どももいます。

 

聞けたし理解もできたけど行動の仕方がわからない。

・指示された内容はわかっても、まず何をして、次に何をすればいいか、手順がわからない場合があります。

・やればいいことはわかっても、なんとなく面倒臭い気持ちが上回り、書かない、取らない、片付けない場合もあります。

・「間違えたくない」「失敗したらどうしよう」の気持ちが強く完璧主義の傾向がある場合、行動に移せないことがあります。

 

家庭ではこのようなサインが見られるかと思いますが、特に見過ごされがちで、私が最も気にしているタイプが、

 

「まわりの同級生を真似して、その場を取り繕うタイプ」

 

です。

幼稚園でも保育園でもこども園でも、園で一緒に多くの時間を過ごすのは同級生です。

 

 

また、園における活動は、基本的に同級生と同じ時に同じことをします。

ですから、担任の先生は手が動いていない園児に向かって

 

「ほら。まわりのお友だちをよく見て」

「みんなと同じようにやってごらん」

 

と話します。

その後、その子どもができるようになった場合、これは聞いたおかげではなく、見たおかげです。

見ることによる成功体験を得た子どもは、先生が

 

「みんな、座ってね」

 

という言葉を聞いていなくても、まわりの同級生が座る姿を見て、急いで座るようになります。

この、真似をする姿勢は、先生であっても、親であっても騙される場合があります。

一見すると、指示をちゃんと聞けているように見えますし、実際にちゃんと動けています。

ですが、みんなと同じ行動をするのではなく、

 

「Aさんはコップを取ってきてください。Bさんはお皿を取ってきてください。Cさんはお茶を取ってきてください」

 

のように、それぞれの子どもにそれぞれの指示を出すと、途端にボーッとします。

この時、わかる先生は

 

「この子、みんなの真似をしていただけなんだ」

 

と見抜きます。

このタイプの子どもの扱いの難しさは、表面上は

 

「できている」

 

ことです。

できていなければ

 

「次はちゃんと聞いてね」

 

と言えますが、できているので、注意はできません。

また、子どもも

 

「できている」

 

ことを

 

「聞けている」

 

と勘違いしている場合がありますし、親でさえ、

 

「子どもが聞けずにまわりの真似をしているだけ」

 

というのを見抜けない場合があります。

 

「まわりの同級生を真似して、その場を取り繕うタイプ」

 

は、兄姉より弟妹が多いですし、性格的には間違えたくない、完璧主義に近い子どもが多いです。

ですから、カンニングは不真面目で出来が悪い生徒がするというよりは、

 

「今までまわりを見て、なんとかその場を取り繕ってきた」

「とにかく間違えたくない、目立ちたくないから、みんなと同じようにしてきた」

 

のような生徒が多いように思います。

 

まずは観察、次に寄り添い。

子どもが言われた通りに動いていない時、

 

「聞いてない！」

 

と即判断するのではなく、

 

「どうして聞いていないんだろう？」

「どこで躓いてるんだろう？」

 

と、その背景、原因を探るために観察し、理解しようとすることです。

 

・声をかける前に目を合わせる

・短い言葉で具体的に話す

・目に見えるようにして説明する

・「まずはどうするんだっけ？」「この後は？」「次は？」とひとつひとつ一緒に確認する

・1回の指示に行動は1つ

 

のようなことを意識されるだけでも、かなり「聞く力向上」に対して即効性があります。

 

 

子どもの聞く力の成長は、その後の学習や社会生活を送る上で大きな土台になります。

聞いていないというのは、相手にとっては

 

「無視された」

 

という被害になります。

ですから、聞かないという行為は、加害と捉えられる可能性もあります。

 

日常生活における聞く力は、検診における聴力検査では測れません。

機械的な音の信号に意識を向けることが聞くことではなく、人に意識を向けることが聞くことです。

話を聞く姿勢が良い子どもは評価される可能性が高いです。

少なくとも、よく聞いていることで注意されたり嫌われることは余程のことがない限りありません。

 

聞く力を育てましょう。

もし、

 

「まわりの同級生を真似して、その場を取り繕っているだけなんだ」

 

と気がついたら、その瞬間から聞く力を育てる優先順位をぐっと上げてください。

 

「聞かなくてもまわりを見てれば楽勝、楽勝」

 

と思って人生を生きていたら、いつか必ず望まないことが起きます。

そのひとつが、学業の伸び悩みです。

学業で伸び悩むと、志望校変更を余儀なくされます。

そうなる前に、聞く力を育てましょう。

間に合う内に育てましょう。

 

2024年新潟大学附属長岡小学校に合格しました。

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新潟大学附属長岡小学校15名受験全員合格（2024年12月18日）

 

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