事実をどのように解釈するかで、その後の子どもの成長は全くちがうものになります。
入園、入学、クラス替え。
この時期、子どもたちは日中気を遣っているので、教室に来る頃には疲れていることも多いです。
泣いたり嫌がったりしながら来る幼児もいますし、いつもはよく喋る小学生が無言だったりします。
それでもいざ課題に取り組み始めれば、いつも通り、あるいはそれ以上に出来たりします。
気を遣って神経が研ぎ澄まされているからなのか、出来はいつもより良い場合が多いです。
教室に来た時には泣いていても、それを乗り越えたのは子ども自身です。
乗り越える力は持っているので、こちらはそれを出しやすくするだけです。
緊張から弛緩です。
たとえば、子どもの代わりに課題をやって、わざと間違えます。
そうすると
「ちがうよ！」
と言ってやってきます。
泣いてはいますが、見ていないわけではありません。
「泣かないで」
「がんばれ」
と言われるのは好きではなくても、
「ちがうよ」
「なにしてんの」
と言うのは好きな子どももいます。
ですので、泣いている子どもの前では隙をつくり、ツッコんでもらいます。
そうするとこちらも
「よくわかったね！」
「どうしてこんなのわかったの！」
と言います。
そこでだいたいの子どもは笑います。
笑ったら、もう大丈夫です。
園や学校のあとにホッとして泣くのは、それだけ日中気を張っていた証拠です。
体力はそこまで使っていなくても、気力が減ることもあります。
気力が減って体力が余っていれば、それはアンバランスな状態ですから、なにか不具合みたいなものが出ても全然不思議ではありません。
子どもの都合で予定通りの時間に教室に来れなくても、こちらが全く気にしないのは、子どもたちが
「頑張ってる」
と思うからです。
終わってホッとして泣くほど頑張ったのです。
すごいことです。
泣いたという事実をどのように解釈するかで、その後の子どもの成長は全くちがうものになります。
同じ事実を見ても、解釈は人それぞれです。
そして、解釈次第で安心にも不安にもなります。
解釈は、
「もっと子どものことをよく知りたい」
「もっと子どもにいきいきと成長してもらいたい」
と思う気持ちからはじまります。
解釈次第で子どもの可能性が広がったり、そうでなくなったりすることもあるだろうと思うと、解釈の仕方を学ぶことも、とても大事なことだと思います。
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